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地図の可能性をみた②
こんにちは、志學舎豊田教室の土井です。
東洋文庫ミュージアムで開催されている【江戸から東京へ―地図にみる都市の歴史―】展です。
地理っ子必須の展示ですわい。
さてさて、上の写真の右側が、明暦の大火で江戸城天守閣が燃え尽きる前の江戸の地図になります。
現在でも地形図には出版元やいつ出版されたかを記載していますが、こちらの地図では
「太郎右衛門 明暦三丁酉 正月吉辰」
となっているので、1657年出版だとわかります。
まさしくこの出版数日後に大火に見舞われるのですが…運命とは…。
じゃじゃーん、今回実はこれ(写真左)が一番期待していたもの。
朝井了意によって書かれた『むさしあぶみ』という書物です、一度会ってみたかったんだ~~!!!!!
こちらはいわゆる「浅草橋の悲劇」の場面です。
火事を理由に牢屋にいた罪人たちが逃亡したという情報をもとに浅草門が閉門。
門の中で焼死する人も多く、炎熱に耐えられない民衆が次から次へと浅草門から真冬の川へ飛び込み、怪我や寒さで多くの人が亡くなってしまったという、いわゆる「人災」です。
江戸の防衛上、橋はそうじゃんじゃん作れなかったのだけど、これをきっかけに両国橋が架けられたことは、結構有名らしい。
(右側は平和な状態の江戸の絵図です、墨田川の堤と上野の公園、どちらも桜の名所です)
閑話休題。
さて、上の地図で「?」と思ったのが、まず右側の「虫喰ゾーン」です。
大和絵のように描きにくい部分は雲でもくもくうめているのかと思ったら、右側の余白部分には「虫喰」の文字が律儀に書かれているわけです。
そうすると、こちらの地図は測量したものをそのまま作図したというよりか、何かしら完成されている地図を書き写したものなのかな???と想像が尽きません、やばい。
(当時には「剽窃」という概念はなかったのかな)
そしてもう一つ、明暦の大火ののち、都市計画に伴って作られた地図が展示されています。
寛文2年壬寅(1662年)ということで5年後に出版された地図ですね。
展示の説明パネルにも「(情報更新の上で)よい景色の西南もそえたよ」的なことが書かれていたのですが……(左側に黄色く線を引いてみました)
……えっ、明暦の地図(右)にも書いてある…同じ文じゃん…。
ついでに、出だしの文章一緒じゃね…?
めんどくさくなったので線引きませんでしたが、文章の構成はびっくりするほど同じです。
地図を作る際にこういう文章を書いておいてね、という暗黙の了解ルールでもあったんだろうか??
と思って展示室内の他の地図を見たのですが、特に同じ文言はありませんでした。
ふっしぎー!
自分が気付けなかっただけで、同じ版元の地図なのか??と思ったのですが、明暦の地図は江戸日本橋と書かれています。
寛文の地図は京都の版元だと展示パネルにも書かれていました…。
使用している漢字の字形にもけっこうばらつきがあります…文章は似ているけど、文字が違う。
謎すぎる。
明暦の地図は京都の版元で作られた地図をもとに、最新の情報を付け加えて新しく刷ったりしたんだろうか?
教えて詳しい人!!
もうあまりにも謎が謎を呼び過ぎているので、改めて地図に関する文献をひっくり返して調査しているところです、意外と地図の歴史もひもといてみると沼ですねぇ~。
気になりすぎてわくわくしますね~。
こちらの展示、結構長い期間行われますので、夏休み中にももう一回自分なりの解答を出してから行こうかなぁと考えています。
知的好奇心を刺激されてウハウハですね~素晴らしい素晴らしい。
こちらは明和九年に起きた火災の消失範囲を描いたものです。
だいぶ前の記事で松尾芭蕉の家燃えちゃったよ話をした気がしなくもないですが、その時の火災ですね。
明和九年(めいわくねん)なので、「迷惑」と掛詞にして江戸の人は遊んでいたようです…。
大きな地震や火災が起こると、瓦版という形でどのあたりにどんな被害が出ていますよ、というものがじゃんじゃん出されたようです。
前回にお見せしたお救い小屋の瓦版もそうですが、世界でも有数の人口を抱えた都市として発展していて、そういった情報網がすでに確立していたというのは非常に面白い現象だなぁと思います。
社会科の授業でも「東京には出版会社が集まっていて、出版業がさかんで~」という話をしますけれども、その片鱗が江戸時代にすでに見えているのが面白くてわくわくしますね。
違うか、江戸時代からできていたから、それを受け継いでいるのか。
先日放送されたブラタモリがちょうど江戸城のくだりを2週にわたって放送していましたが、最後のタモさんの「俺たちは家康の遺産で食っているだけだ」というつぶやきがとても印象的でしたね!!
教科書に載っている絵空事ではなく、現実世界のあらゆる事象には歴史的なものや世界的なものとのつながりがあるんだなぁというのは、非常に面白いし大切なことだなぁと思います。
なかなかに味わい深い。
隙間時間を使ってもろもろを調べているので、面白い発見があったらお知らせします。
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[開設コース:中学受験部(小学生)/高校受験部(中学生)/進学個別アイウィル] 志學舎 豊田教室 教室長 西尾宣昭
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